岩波ブックレット『日本の植民地支配』復刊リクエスト

日本の植民地支配―肯定・賛美論を検証する (岩波ブックレット)

日本の植民地支配―肯定・賛美論を検証する (岩波ブックレット)

『日本の植民地支配 肯定賛美論を検証する』という本がある。本といっても、ブックレットなので、価格も500円ちょい、分量もわずかなものだ。しかし、ちゃんとした朝鮮史の学者が、ほとんどは歴史には素人である「自由主義史観」側の主張に反論した、という、ほかに類のない本でもある。
目次はこちら。

  • 朝鮮の伝統社会は停滞していたのか?
  • 日本の植民地支配は「未開瘴癘」の台湾に「文明」をもたらしたのか?
  • 朝鮮は清国に服属していたのか?
  • 韓国「併合」は国際情勢から見てやむを得ない選択だったのか?
  • 韓国「併合」は「合法」だったのか?
  • 日本は植民地で政治的・社会的平等を実現しようとしたのか?
  • 近代的な教育の普及は日本の植民地支配の「功績」なのか?
  • 植民地支配は近代的な医療・衛生の発展に寄与したのか?
  • 植民地支配に反対したのは、一部の朝鮮人・台湾人だったのか?
  • 日本支配下で朝鮮の人口は急増したのか?
  • 朝鮮での米の増産は農民を豊かにしたのか?
  • 植民地の工業化・インフラ整備は民衆生活を向上させたのか?
  • 日本は植民地支配で経済的利益を得ていなかったのか?
  • 植民地労働者の戦時動因は強制ではなかったのか?
  • 慰安婦」問題で日本国家に責任はないのか?
  • 朝鮮の「創氏改名」、台湾の「改姓名」は強制ではなかったのか?
  • 朝鮮人・台湾人志願兵は「自発的」だったのか?
  • 韓国の人たちは「反日的」、台湾の人たちは「親日的」というのは本当なのか?
  • 植民地の開発は、戦後の台湾・韓国の経済発展に寄与したのか?
  • 植民地支配に対する賠償・補償はこれ以上必要ないのか?
このブックレットの初版は2001年だが、6年たった現在見ても、ホットなテーマばかりである。6年前よりも、現在のほうが、なおさら、この本の必要性は高まっていると言えるだろう。
引用ばかりになってしまうが、このブックレットの「はじめに」にある一文を見ても、コンパクトに内容をまとめながら、学問的にも誠実であろうとする著者たちの姿勢が見えると思う。

 肯定・賛美論が例外なく「歯切れのよい」論調であるのに対して、本書には「歯切れの悪い」内容が含まれているかもしれない。しかし、歴史的事実には多面的な性格があり、歴史の真実に忠実であろうとすれば、ある種の「歯切れの悪さ」を抱え込まざるを得ないということを私たちは大切にしたいと思う。
しかし、これって品切れ・重版未定なのだ。そこで、復刊ドットコムで復刊リクエストを出した。よかったら、リクエストにご協力お願いします。(要ユーザー登録)
こっちは、100票集まると、復刊のために出版社と交渉してくれる、ということなのだが、岩波書店に直接リクエストする方法もある。どっちかというと、こっちのほうが早いと思うんだけど、住所氏名を入力するようになっているので、それでも構わんよ、という方は、こちらでお願いします。
さっきやってみたら、Firefox ではうまく動かなかったので、IE エンジンのブラウザでどうぞ。
岩波って、サイト上の「日本の戦後60年」という特集で、この本も紹介してるのに、品切れはひどいなぁ。