ナショナリズムの克服

ISBN4087201678
姜尚中 (著), 森巣博 (著)
実は、姜尚中さんはわたしの大学時代の民族サークル(在日韓国学生同盟、学内的には韓国文化研究会)の先輩で、もちろん年齢的にはだいぶ上なのでわたしのことはご存じないと思うが、今のように有名になる以前からずっと存じ上げている。そういうわけで、大学時代の話になると、個人名は出ていないがどなたのことを言っているのかわかるので、思わずどきどきしながら読んだ。どきどきというのは、人間関係だけの話じゃなくて、氏が大学時代の活動を現在どのように評価しているか、とても興味があったからだ。
もちろん、それ以外の部分もたいへん示唆に富む内容である。だが、ほとんどが対談という本の構成上、ヒントばかりが出てきて突っ込み不足ということは、いたしかたないかと思う。この本に先行して出版された姜尚中著『ナショナリズム』(ISBN4000264362)への入門編というところか。といいながら、出版当初から気になりつつ、『ナショナリズム』は、未読なのである。はよ読め、という自分への課題をつきつけられてしまった。