2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

外見の美醜と人間性−『愛しのローズマリー』

先日『オレンジカウンティ』を見て、ジャック・ブラックがあまりにむさくるしいのに辟易としたのだが、今回はちゃんとしたビジネスマンの役ということで、こざっぱりしている。だが、逆にはじけ方はイマイチ。 外見の美醜が人間性と反比例するみたいな描き方…

画面が暗い−『嗤う伊右衛門』

とにかく画面が暗く、部屋の照明を落として見ないと、なにがなんだかわからない。セリフも聞き取りづらいので、できればヘッドホンを使ったほうがよい。一部グロいシーンもあるので、子供といっしょに見ようなどとは思わないこと。 しかし、なんでこんなに水…

ディテイルが新鮮−『たそがれ清兵衛』

邦画を見るのは、ずいぶんひさしぶりだ。しかも時代劇って、見たことあったかしらん。 着物はいつもぱりっとおろしたて、足袋はさんざん歩いても真っ白、髪は後れ毛の一本もない、というテレビの時代劇を一方の極とすると、この映画はその対極にある。舗装し…

砂漠の王子−『西の善き魔女5』

この巻は、もともと外伝として発表されたもので、主人公はフィリエルではなくアデイルである。 女王候補として、政治の渦中にいる16歳のアデイル。そんな立場など眼中になく、ひとりの少女としてのアデイルの前に立つ、失われた国の王子。しかも舞台は砂漠の…

答はない−『シュレック2』

夫が下の子に見せていたのにつきあったので、吹替版で見た。 美しいお姫様と怪物のままでは、どうしてダメなの? という前作で感じた疑問には、やはり答はない。ロバとドラゴンのカップルは成り立ってるのになぁ。ハリウッド映画では、異人種間のカップルと…

『宇宙戦争』

MOVIX 宇都宮で。感想は後日。

いかに狂っていくか−『情事』

イ・ミスク演じる主人公が、鏡に向かって「ミッチョッソ…」とつぶやくシーンがある。字幕は「どうかしてる」と出ていた。直訳すると「狂ってる」ということなのだが、この言葉は、精神的にちょっと普通じゃない状態を表すものとして、日常的によく使われる。…

歓喜を描く−『マラソン』

水曜日はレディースデイで1000円、この映画の公開は22日まで、ということで、MOVIX 宇都宮に見に行ってきた。 平日の昼間の韓国映画なんてがらがらだろうと思いきや、客席は8割以上の入り。ほとんどは女性で、男性の姿は、夫婦で見に来たと思しき方数名。わ…

リタイア

どーしても最後までたどり着きませんでした。もしくは、途中でだるくなって早回しで見ちゃった。ご縁がなかったということで。

気の長い宇宙人−『ノイズ』

シャーリーズ・セロンのブロンドのショートカットは、やっぱりミア・ファーローを意識してるんだろうか、と思ったら、Amazon のエディターレビューに同じことが書いてあった。ということからも明らかなように、『ローズマリーの赤ちゃん』の宇宙人版、という…

切り捨てすぎ−『純愛中毒』

決して退屈な映画ではないし、俳優の演技もよかったのだが、なんとも納得いかないのが「世間」との関わりがまったく描かれていないこと。 兄の死後、弟が兄嫁といっしょになる、というのは、韓国社会では道徳的な非難は免れないと思うのだが、その部分はまっ…

家のたたずまい−『ワニ&ジュナ』

キム・ヒソンは、美しいが演技はいまいち、みたいな話をどこかで目にしたのだが、この映画では、繊細な感情をよく表現していて、清潔な雰囲気もよかった。 チュ・ジンモは、ハンサムでやさしい申し分のない恋人。チュ・ジンモじゃないといけない、という役で…

言葉のない別れ−『耳に残るは君の歌声』

胸痛む映画である。異国を漂泊する悲しみが全編にあふれている。だがそれは、言葉でつらい、悲しいと説明するのではなく、それ以上に雄弁に、映像と音楽によって語られていく。 切り詰められたセリフ、1時間30分という短さで、断ち切られるような唐突なラス…

シニカルなおとぎ話−『未来は今』

コーエン兄弟のフランク・キャプラへのオマージュ。映像と音楽で、まだアメリカンドリームを信じていたころのアメリカを描き出している。演出はテンポよく、細部まで作りこまれた映像は、昔懐かしいファンタジー映画の王道といった感じ。 これだけアホ面でド…

脇役が豪華−『オレンジ カウンティ』

リリー・トムリン(進路指導員)、キャサリン・オハラ(主人公の母)、ジョン・リスゴー(父)、ケヴィン・クライン(あこがれの小説家/大学教授)など、助演陣がとにかく豪華。リリー・トムリンって、60をはるかに超えているはずだが、むかしからこういう…

学生服とキャスティング−『シネマ坊主 2』

シネマ坊主2作者: 松本人志出版社/メーカー: 日経BP出版センター発売日: 2005/06/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (43件) を見るいや、一部分だけ読んで、批判するのがまずいのはわかってます。資料として購入したり図書館で…

民話の系譜−『シャドウテイカー 5』

堂々の完結編。うまく落としたなーとは思ったが、肝心のキーワードが英語ってどうよ? 名前を当てることによって魔物に打ち勝つ、という民話の系譜に連なる話である。だが、名前とは、魔物を縛るまじないであるだけでなく、人間の心の扉を開けるキーワードに…

手堅くまとめたコメディ−『ナッシング・トゥ・ルーズ』

ティム・ロビンスとマーティン・ローレンスの芸達者ぶりが見所。あははと笑って楽しめばよく、ごちゃごちゃいってもしょうがないので、下記は蛇足だが。 小心者ほどキレるとヤバイ、というか、小心者だからこそ歯止めがきかなくなり暴走してしまう、というの…

冷戦を背景にしたラブコメ−『星に想いを』

1994年の映画で、メグ・ライアンが主演、さらにこのクサイ邦題、とくれば、見なくても内容はわかりそうなもんである。だが、ティム・ロビンス強化中なので、やっぱり見る。 舞台は1950年代前半で、映像もまた、そのころの映画をほうふつとさせる。ぺったりと…

オタクへの救い−『スクール・オブ・ロック』

ジャック・ブラックの暑苦しさ全開。息子たちといっしょに見たのだが、とくに高校生に大うけであった。 ストーリーは予定調和的に進んでいき、予想を裏切る展開はほとんどない。だが、見ていてとても楽しい。いっしょに歌いたくなる。 ロックが好きだという…

DNA という言い訳−『CODE46』

ティム・ロビンス強化中なのである。これが最新作か、というと、『宇宙戦争』にも出ていたんですな。 ともあれ。上海を舞台にした映像は美しく、ティム・ロビンスもかっこいい中年振りをご披露している。音楽もよい。だが、アジアと近未来というと、どうした…

ウソをついていい相手−『ミスティック・リバー』

重い、後味悪い、と、どこを見ても書いてある。確かにそのとおり。だが、わたしにはそれ以上に、画面を支配している静かな緊張感が印象に残った。 それは『ミリオンダラー・ベイビー』でも感じたものだが、こちらは劇場で見たため、自分の集中度が違うからそ…