4月に読んだ本

まともな感想書けるかどうかわからんが、とりあえず列記だけ。

夏草の記憶 (文春文庫)

夏草の記憶 (文春文庫)

例の繰言モード、というか、過去と現在が交互にあらわれ、中心にある深層に向かって渦を描くようにすすんでいく。このぐるぐる回る状態にうまくシンクロできればいいのだが、そうじゃなければ、実にかったるく、最後まで読み通すのに苦労するだろう。しかし、語り手の少年時代の心象風景として、涙ぐましいほどモテナイ君の気持ちが活写されている。まったく共感はできないが、まあたいへんだね、という感じでした。と、悪口ばかりのようだが、よくできたミステリです。
完全版 帰化申請マニュアル―日本国籍取得ガイド

完全版 帰化申請マニュアル―日本国籍取得ガイド

海外から渡航してきた人の話が中心。コンパクトにまとまっているし、実践的でよい。ただ、状況はどんどんかわっているので、数年ごとの改訂版などがあるといいなぁ。
入管戦記

入管戦記

坂中英徳という名は、在日で民族運動などに携わったことのある人、入管行政に興味のある人にとっては、忘れられないものだろう。一時は「同化・追放・抑圧」政策の申し子のようにいわれていたが、本人の弁によると、実際はだいぶ違うようだ。しかし、かっこよすぎるね、ちょっと。かなりファンタジー色の強い、文庫版第4巻。「スカボロフェア」の元ネタは、マザーグースだったのか、なんて関係のないところで無知が露呈するな。
続巷説百物語 (角川文庫)

続巷説百物語 (角川文庫)

読書の楽しさを満喫できる一冊。ペダンティックな部分が少ないので、いつもの京極節に抵抗がある人も、楽しめるんじゃないかな。
手紙・Eメールでよく使う韓国語表現集

手紙・Eメールでよく使う韓国語表現集

ちゃんと読んだわけではないが、というか、読むような本ではないが、これはおもしろいよ。旅行韓国語会話などでも「お湯が出ません」「水が出ません」「電気がつきません」などの例文の羅列に笑ったことがあるが、この本の例文はもう最高です。近況を知らせる例文の最初に出ているのが「ちょっと食べ過ぎて3キロもふとってしまいました」! あと、ファンレターの書き方にも、1章をさいている。「日本の芸能ニュースで、初めてイ・ヨンエさんの姿を見たとき、あまりにも美しいので、ほんとうに驚きました」とか。それもそのはず、著者は、「K-POPSTAR」の初代編集長とのこと。文法的な解説はないので、これ1冊、という本ではないが、韓国の歌手や俳優に入れあげている人には必携でしょう。