弱点を付与する−『犬夜叉 40』

犬夜叉もとうとう40巻である。
主人公が敵を倒しつつ、アイテムを集めてほんとうの目的を遂げる、というタイプの物語は、だいたい敵も主人公も強さのインフレ状態になって、わけわからなくなっていくのだが、手を変え品を変え、犬夜叉に弱点を付与することによって、インフレをうまく避けている。
まずはかごめの存在が、お飾り的、記号的な「女の子」ではなく、ちゃんと物語の中心にからんでいること。だから「おすわり!」も生きてくるんだよね。そして、月に一度は非力な人間に戻ってしまうという、半妖としての弱点。さらに今度は、鉄砕牙に逆に使われてしまう、というピンチを設定したわけである。刀秋が道具である奪鬼に逆に殺されてしまう、というのが伏線になっているわけか。
しかし、この巻、四魂の玉のシの字も出てこない。話としてはおもしろいし、緊張感も失われていないのだが、脇筋に入り込みすぎかなぁ。だいたい、かごめはいつまで中学生なんでしょうか。