上品過ぎるかも−『ボイス』

ボイス [DVD]

ボイス [DVD]

まあ、先に本を読んでいて、ネタはわかっているので、怖くないのはしょうがないのかもしれないが、グロテスクな描写がほとんどないのも、怖くない理由かなぁ。
この作品は、幽霊の怖さと、人間の怖さと両方が出てくるが、どっちも中途半端。
ふだんは取り澄ました美しい女性が、いざとなると髪を振り乱して悪鬼のごとき形相になるってことはなく、殺人やその後始末のときも、取り澄ましたまま、たんたんとしている。きれいな女子高生は、殺されて壁に塗りこめられても、髪の毛が伸びるだけで、顔はきれいなまんま。子供がすごい美少女で、天使のような顔で、柄の悪い高校生のような言葉遣いをすればともかく、演技はうまいけど、顔立ちはごくふつうの女の子なので、ただのこまっしゃくれたガキにしか見えないし。
あんまりえげつないと、かえってギャグになってしまうし、上品過ぎてもおもしろくない。バランスがむずかしいところだな。