ばたばたしすぎ−『ニードフル・シングス』

キング作品の映画化は、あまりいただけないものが多いのだが、これは思ったより楽しめた。というのは、渋い役者がそろっていて、とくに悪魔役のマックス・フォン・シドーの堂々たる紳士振りがよかったから。音楽が安っぽくなかったのも、B級ホラーにならずにすんだ理由だろう。しかし、なにせ長い話を2時間にしてしまったので、人間心理を掘り下げるヒマもなく、やたらとばたばたしている。悪魔の策略がすぐれているというより、この町の人間って単細胞ぞろい、としか見えない。まあ、凡作ですな。

わびしい色合い−『シャークボーイ&マグマガール 3-D』

公式サイト
MOVIX 宇都宮で。初日の第1回なんてものを見てしまった。もちろん、うちの小学生のおとも。
ディズニーランドのように専用の劇場ならともかく、ふつうの映画館で 3D は、よっぽど特別のアイデアでもないと、やめたほうがいいかもしれない。むかしときどき小学生向けの学習雑誌などに 赤青のセロハンを貼った 3D メガネと、赤青の色をずらして印刷した「飛び出して見える」ページがあったが、技術的にはまったくそれと同じ。つまり、3D の場面だと、色合いが紫がかったモノクロに近い、なんともわびしいものになってしまう。どうせ夢の世界なら、ちょこっと飛び出して見える効果より、色彩で見せる効果のほうが大きかったのではないか。
また、「よだれ惑星」のセットが、あまりにも凡庸でつまらない。一貫した趣味なり、美学なり、そういうものがなく、ただ散漫な印象。
まあ、子供は喜んでいたので、子供向けとして見れば悪くないんだろうけど。

SF風味−『真昼の星迷走』

西の善き魔女〈8〉真昼の星迷走 (中公文庫)

西の善き魔女〈8〉真昼の星迷走 (中公文庫)

これでいちおうシリーズは全部終わりである。
かなり SF風味で、ちょっと大人向けかもしれない。

レンタル落ち

サヴェージ・ガーデン

サヴェージ・ガーデン

グレイテスト・ヒッツ-チャプター・ワン~スペシャル・エディション~

グレイテスト・ヒッツ-チャプター・ワン~スペシャル・エディション~

レンタル落ちで、両方で1000円くらいだった。車の中で聞き流すのにちょうどいい。

なにもかも説明済み−『ボイス』

ボイス (角川ホラー文庫)

ボイス (角川ホラー文庫)

韓国映画『ボイス』のノヴェライズ、と言いたいが、同じ素材を使った書下ろし、ということらしい。ややこしい。
映画のほうは見てないのだが、この話の怖さって「音」に関わってくると思うので、小説では怖さはイマイチ。話としては、まあまあ楽しめるが。それより、こうなにもかも説明済みだと、かえって安くなっちゃうような気もするなぁ。映画のほうとは、ストーリーもだいぶ違うようなので、こちらも見てみよう。