ばたばたしすぎ−『ニードフル・シングス』

キング作品の映画化は、あまりいただけないものが多いのだが、これは思ったより楽しめた。というのは、渋い役者がそろっていて、とくに悪魔役のマックス・フォン・シドーの堂々たる紳士振りがよかったから。音楽が安っぽくなかったのも、B級ホラーにならずにすんだ理由だろう。しかし、なにせ長い話を2時間にしてしまったので、人間心理を掘り下げるヒマもなく、やたらとばたばたしている。悪魔の策略がすぐれているというより、この町の人間って単細胞ぞろい、としか見えない。まあ、凡作ですな。