顔見世興行−『痕跡』

痕跡 (上) (講談社文庫)
痕跡 (下) (講談社文庫)
そういえば、昨年も正月休みに検屍官シリーズを読んでたな。陰惨な物語で楽しい年末年始。
今に始まったことではないし、身から出た錆、としかいいようがないのだが、マリーノがなんともかわいそうなことになっている。別にもてないわけでもないのだから、スカーペッタを思い切れば、もう少し楽しい人生になりそうな気がするが、それだと話としておもしろくないかも。
犯人があまりにも小物で、しかも、読者には最初からネタは割れているので、感興を削がれることおびただしい。なじみの面子ばかりの話だから、これでも興味をもって読み進められるものの、シリーズを途切れさせないため、とりあえず顔見世興行しましたって巻だな。