見る前に読んではいけない−『姉妹−Two Sisters』

姉妹―Two Sisters (角川ホラー文庫)

姉妹―Two Sisters (角川ホラー文庫)

タイトルは、映画『箪笥』と別のものになっているし、独立した作品として、十分に成り立っている。だが、内容的には、映画の謎解きなのである。まあそりゃ読んでから見たほうが混乱しなくていいかもしれないが、あの映画の肝は、なにがなんだかわからない、自分の足元さえ危うくなるような戦慄だろうから、読んでから見ると、映画に入り込むというより高みの見物、みたいな印象になりそうである。
わけわからなかったところが、完全に説明されていてすっきり。後書きを読むと、もう一度映画を見たくなる。
しかしそれにしても、この父親、やっぱり許せんな。浮気の相手を、病気の妻がいる家にひきこむ人非人、じゃないところが、よけい悪い。