巫女萌え−『シャドウテイカー 3』

シャドウテイカー〈3〉フェイクアウト (電撃文庫)

シャドウテイカー〈3〉フェイクアウト (電撃文庫)

みちるちゃん、いい子だなぁ。高校生の女の子の心理を事細かに描写して、読ませるのはさすが。しかし、こういう友情が作品の柱になってくると、前作と印象が似てきてしまう。主人公たちの、「恥を知る」という精神性が際立ってくるとなおさら。
ライトノベルだからこれはしかたないのだが、敵が人間の心の弱さにつけこもうとしても、主人公が高校生くらいじゃ、けっこうご清潔で通しちゃうこともできるので、話が単純になりがちなんだな。もうちょっと大人が主人公だと、別の展開になってくるんだろうけど。長い年月、ひとつのことに執着してきた人間ほど、つけいられる隙もあるわけで。その執着の対象が愛とか夢だとしても。
神社が舞台になっているので、そんなに不自然ではないのだが、わざわざヒロインをバイト巫女にしているのは、地味だ地味だといわれる作風にちょっとは花を添えるか、と読者の巫女萌えを狙っているんだろうか。