わかりやすいツボ−『ジェイコブス・ラダー』

ジェイコブス・ラダー [DVD]
レンタル DVD で。
ティム・ロビンス主演、というそれだけで、内容をまったく知らないまま借りてしまった。この人、けっこう好きなんだよね。とはいっても彼の出演作は『ザ・プレイヤー』と『ショーシャンクの空に』しか見ていない。ということで、ティム・ロビンスをキーに検索して出てきた第一弾。
冒頭からベトナム戦争の場面で、かなりひく。戦争映画は好きじゃないのである。当然ながら殺伐としているし、いきなり主人公は死にかける。こわー、と思っていると、彼が帰還して舞台がニューヨークになってからのほうが、さらに怖い。へたなホラー映画よりよっぽど怖い。
ストーリーは二転三転し、いったいなにがほんとうなのか、こっちの頭もぐらぐらしてくる。主人公は精神的にも肉体的にも、小突き回されてぼろぼろになる。
ヤコブのはしご」といえば、キリスト教圏の人間にとっては、すぐに思い当たる話だということだが、それはあとから検索して知ったことで、見ているときはその暗喩はわからなかった。だが、それを知らなくても、主人公の地獄めぐり、導師というべき人物の存在、恋人=エヴァ=人間の邪悪な部分、という見立てはわかりすぎるくらいわかる。物語にも最終的には納得できる結末が用意されている。主人公を導く無垢なるもの=夭折した末の息子(マコーレ・カールキン)はすばらしい演技である。
だが、これがいい映画かというと、万人向けではないだろうなぁ、という気はする。わたしはすごく好きだが。ティム・ロビンスもさらに好きになった。
それにしても、童顔で少年ぽい雰囲気、ムダに背が高く、頭がよくて才能がある。これって、全部シギョンくんにもあてはまるよなー。われながら、なんてわかりやすいツボだ。