なんとも切ない−『記憶が消えていく』

記憶が消えていく―アルツハイマー病患者が自ら語る

記憶が消えていく―アルツハイマー病患者が自ら語る

アルツハイマーにかかってしまっても、別にそれで人生終わりじゃないし、結局、病を得る前の生き方が病気後の生き方も規定していくのだ、といってしまうと、ごく当たり前なんだが。
ある人が一時的に記憶を失ったときの、途方にくれた目が忘れられない。幸い、それは一過性のもので、すぐに回復したのだが。この病気になると、ふつうのオトナが人前では決して見せない顔が表に出てくる。そこが切ない。切なくても生きていくのか、生きていくのが切ないことなのか、よくわからないけど。