ソル・ギョング ショー−『力道山』

昨夜は、注文していた韓国の DVD や VCD が届き、さっそく「力道山」(韓国公式サイト)を子供たちといっしょに見た。これは、ほとんどセリフが日本語なので、韓国語がわからない人が韓国版を見てもだいじょうぶ。一部韓国語のセリフがあるが、英語字幕がついてるので、それで内容は確認すればいいかと。ただ、リージョン3 なので注文したい方はご注意のほど。
いやー、ソル・ギョングの日本語がうまいのにはびっくりしたわ。おとなになってから日本に来て、10年以上住んでる、っていう人の日本語として、まったく不自然じゃない。
日本語のセリフもそうなんだけど、体重増やしたとか、プロレス場面を体を張って演じてるとか、まるでソル・ギョングのショーのような映画。ついそういうバックステージにばかり関心がいってしまうんだよね。もちろん、それだけで一見の価値がある、ともいえるんだけど。
中谷美紀は、美しくたおやかで、芯が強い、古き日本の女性を好演。めっちゃ都合のいい女なんだけど、この時代は、現実にこういう人もいただろうし、相手が力道山だったらなおさらこういうキャラクターもありかな、と思う。
すごかったのは藤竜也で、濃ーい芝居がはまっていて、ともすると単調になりがちな画面にふくらみを持たせていた。実に生き生きとしていて、楽しそうに演じてるって感じ。相手がソル・ギョングで、オーバーアクト気味でも浮く心配がない、というのは、役者としては実力が出しやすい条件なんだろう。
橋本真也が、横綱からプロレスラーになる役で出てるんだけど、力士の扮装があまりに似合っていて笑えた。
萩原聖人は、あまり動きのない役だからしかたないのかもしれないけど、すごく影が薄かった。出番はほとんどソル・ギョングといっしょなのだから、気の毒といえば気の毒。
肝心のストーリーなのだが、139分とやたらと長い上に、実在の人物を題材にとったということで、展開が最初から見えてしまう、ということを超えられなかったんだよね。後半かなり退屈。
ただ、外国人が見た「なんちゃって日本」じゃなくて、日本人が見ても、きちんと日本が描けている、ということは、特筆してよいと思う。というか、韓国人の監督がこういう映画を作り、韓国で堂々と上映された、っていうことが驚きだよ。って、これも映画自体じゃなくて、バックステージの話になってしまうが。